臨床検査技師は患者さんと関わる?現場で求められるコミュニケーションと心構えをわかりやすく解説!

#臨床検査技師 #専門学校
Contents
01. はじめに
02. 臨床検査技師の仕事と“患者さんとの関わり”の全体像
03. 患者さんと直接関わる場面
04. 患者さんの不安を和らげるコミュニケーションのコツ(声かけ/説明/表情)
05. 信頼を守るために大切なこと
06. チーム医療での関わり方
07. まとめ
はじめに
「臨床検査技師って、検査室で黙々と作業するイメージがある…」
「患者さんと直接関わることはあるの?」
「もし関わるなら、どんな声かけをすればいいんだろう?」
臨床検査技師を目指して色々と調べ始めたとき、多くの人が一度はこうした疑問や不安を感じるのではないでしょうか。医療職と聞くと“患者さんと向き合う仕事”を想像しやすい一方で、臨床検査技師は「検査データで医療を支える専門職」という側面が強く、実際の関わり方が少しイメージしにくい職種でもあります。
結論から言うと、臨床検査技師は患者さんと関わる場面があります。ただし、その関わり方は「ずっと会話をし続ける」というよりも、短い時間の中で安心して検査を受けてもらうための関わりが中心となります。採血や心電図、超音波(エコー)などの生理機能検査では、患者さんの緊張をやわらげたり、検査の流れを分かりやすく伝えたりする力が求められます。一方で、検体検査(血液や尿などを扱う検査)のように、患者さんと直接顔を合わせない領域もあります。
つまり、臨床検査技師に必要なのは「おしゃべりの上手さ」よりも、相手の不安を理解し、短い声かけで安心につなげるコミュニケーションになります。医療現場では、検査そのものの正確さはもちろん、「この人なら任せられる」と感じてもらえる対応が、結果的に安全でスムーズな検査につながります。
このコラムでは、「臨床検査技師の患者との関わり方」というテーマを、これから専門学校で学び始める方にもイメージできるように、出来るだけ分かりやすく整理します。具体的には、次のポイントを中心に解説していきます。
・臨床検査技師が患者さんと関わる場面・関わらない場面の違い
・採血・生理機能検査など、直接関わる現場でよくあるシーン
・患者さんの不安を和らげる「声かけ・説明」のコツ
・信頼を守るために欠かせない、プライバシーや接遇の基本
・チーム医療の中で、患者さんを支える関わり方(連携の考え方)
読み終えるころには、「臨床検査技師=患者さんとどう関わる仕事なのか」、自分に向いているか、そしてどんな力を伸ばしていけばいいかが具体的になるはずです。まずは現場のイメージを一緒に掴むところから始めていきましょう。
臨床検査技師の仕事と「患者さんとの関わり」の全体像
「臨床検査技師は患者さんと関わる」と聞くと、会話が多い仕事を想像するかもしれません。しかし実際は、関わりの量よりも「安心して検査を受けてもらうための関わり」が中心です。臨床検査技師は検査を通して診断や治療を支える専門職で、仕事は大きく次の2つに分けられます。
・検体検査:血液・尿などを調べ、数値や所見を出す(検査室内が中心になります)
・生理学的検査:心電図、超音波(エコー)などで体の働きを調べる(患者さんの前で行うことが多いです)
患者さんと直接関わる機会が多いのは、生理学的検査や採血です。検査前の患者さんは「痛いのが怖い」「何をされるか分からない」「結果が心配」などの緊張を抱えていることもあります。そこで求められるのは患者さんと雑談力ではなく、短い説明と落ち着いた声かけで不安をやわらげて、検査を安全に進める力になります。本人確認やプライバシーへの配慮、体調の変化に気づく観察も、患者さんを守る大切な関わりになります。
また、検査の精度は患者さんの状態にも左右されます。例えば、患者さんの力みや呼吸の乱れは、検査の進めやすさに影響することがあります。だからこそ、適切な声かけや分かりやすい案内が正確でスムーズな検査にもつながります。
一方、検体検査のように対面が少ない領域でも、出した結果は患者さんの診断・治療の判断材料になります。つまり、臨床検査技師は、対面の場面でも裏方の場面でも「患者さんにつながる仕事」をしていると言えます。患者さんとの関わりの濃さは勤務先や担当で変わるため、自分は「対面で接する機会を増やしたい」のか「患者さんの裏側でデータで支えたい」のかを意識して学ぶことが大切です。
患者さんと直接関わる場面
臨床検査技師が患者さんと直接関わる代表的な場面は、「採血」と「生理学的検査」です。どちらも短時間のやりとりですが、声かけや説明の仕方ひとつで、患者さんの安心感や検査の進めやすさが変わります。ここでは現場でよくあるシーンをイメージしながら整理したいと思います。
まず、採血では本人確認(氏名・生年月日)を行い、検査の目的や流れを簡潔に伝えます。患者さんの中には「注射が苦手」「気分が悪くなりやすい」方もいるため、「気分が悪くなったらすぐ教えてくださいね」と一言添えるだけでも安心につながります。患者さんの腕の状態を見て、痛みを減らす工夫や体勢の調整をするのも大切です。
次に生理学的検査には、心電図、肺機能検査、超音波(エコー)などがあります。身体に電極を付けたり、息を吸ったり吐いたり、体位を変えたりと、患者さんの協力が必要な工程が多いのが特徴です。そのため、「今何をするか」「あとどれくらいで終わるか」を先に伝えると、緊張が和らぎやすくなります。患者さんに配慮し、声のトーンや距離感を整えることも重要です。 また施設によっては、検査の受付・案内を担当することもあります。待ち時間や検査前の注意(食事・服装・金属類など)を分かりやすく説明し、困っている様子があればさりげなくサポートします。このような最初の患者さんへの対応が、その後の検査全体の安心感を作ります。さらに検査中は、患者さんの表情や呼吸、手足の冷えなどを観察し、異変があれば無理をさせない判断も必要になります。終了後に「気分は大丈夫ですか」と確認する一言も、患者さんにとっては大きな支えになります。
患者さんの不安を和らげるコミュニケーションのコツ(声かけ/説明/表情)
患者さんが検査前に感じやすいのは、「何をされるか分からない不安」と「痛みや苦しさへの心配」です。臨床検査技師の声かけは、長い説明よりも“分かりやすさ”と“安心感”が大切になります。ここでは、現場で役立つ基本のコツを3つに整理します。
1つ目は「最初に流れと所要時間を伝える」ことです。例えば、「これから〇〇の検査をします。時間はだいたい〇分です」と先に見通しを作ると、「今後の流れとそれに伴う時間」が分かり、緊張が和らぎやすくなります。
2つ目は「短い言葉で、次の動作を予告する」ことです。例えば、採血の時なら「少しチクッとします」、心電図なら「シールを貼りますね」のように、次に起こることを一言で伝えると、驚きや身構え、不安を減らすことができます。
3つ目は「表情・声のトーン・間」を整えることです。忙しい時ほど早口になりがちですが、ゆっくりとした話し方と落ち着いた声は、それ自体が安心材料になります。例えば、患者さんの反応を見て「大丈夫そうですか?」と確認するだけでも、安心感が高まります。
加えて、視線や姿勢も重要です。立ったまま説明するよりも、可能であれば患者さんの目線の高さを合わせ、うなずきながら聞くと安心感が出ます。手順の途中で沈黙が続くと不安になる方もいらっしゃるので、「今測っています」「あと少しで終わりますよ!」と現在の状況を言葉にするのも効果的です。 さらに大切なのが「患者さんを否定しない受け止め」です。例えば、患者さんから「怖い」と言われたら「怖いですよね」と一度受け止めてから、「すぐに終わりますよ」「苦しくなったら止められますので、安心してください」と具体的に伝えると安心につながります。

信頼を守るために大切なこと
患者さんと関わる場面では、検査の技術と同じくらい「患者さんの信頼を守る振る舞い」が大切です。臨床検査技師は、氏名・生年月日・検査結果などの個人情報に触れ、身体に直接触れる検査も担当します。だからこそ、何気ない一言や行動が不安につながることもあります。まずは基本を押さえて、安心して任せてもらえる対応を目指しましょう。
①プライバシー:呼び方と場所に注意する
氏名を呼ぶときは周囲の状況を見て声量を調整し、患者さんの検査内容や結果に関わる話は人の多い場所でしないことが基本です。患者さんの検査結果の画面や書類は置きっぱなしにしない、席を外すときは画面を閉じる、他人に会話が聞こえやすい距離なら声を落とす、などがこうした小さな配慮が大切になります。他にも受付では番号で呼ぶ、カーテンを閉める、など環境面の工夫も有効です。
②倫理と安全:無理をさせない判断する
患者さんの表情、呼吸、冷汗、ふらつきなどを観察し、無理していそうなら一旦止めて確認します。また、「気分が悪くなったら遠慮なく言ってください」と先に伝えると申告しやすくなります。採血後の体調確認や、検査体位の負担を減らす工夫も安全の一部です。痛みや体調面に配慮し、患者さんに無理な時に無理だと言える空気を作ることが結果的に事故を防ぎます。
③接遇:丁寧さより“分かりやすさ”に重きを置く
難しい言葉を避け、短く区切って説明する。患者さんから怖さを訴えられたら否定せず受け止めてから、具体的な見通し(所要時間、途中で止められること)を伝えると良いです。最後に「お疲れさまでした」「気分は大丈夫ですか」と一言添えるだけでも印象が変わります。
チーム医療での関わり方
臨床検査技師の仕事は、患者さんと直接関わる場面だけで完結しません。検査の結果は医師の診断や治療方針に影響し、看護師や他職種のケアにもつながります。だからこそ大切なのが「チーム医療としての関わり方」です。患者さんの安心と安全は、職種を超えた連携で支えられています。
生理機能検査では検査中に患者さんの様子が普段と違うと感じることがあります。例えば、顔色が悪い、息が苦しそう、痛みが強い、冷汗が出ているなどの異変に気づいたら、必要に応じて医師や看護師に共有し、検査の中断や対応を検討します。採血でも失神しやすい方への配慮や、過去に採血で具合が悪くなった経験の有無など、事前情報の共有が役立つ場面があります。
検体検査でも連携は重要です。数値の異常や再検査が必要な状況、溶血などで結果の解釈に注意が必要な状況では、迅速に報告し、判断材料を揃えることが求められます。少しでも報告が遅れると治療開始のタイミングに影響することもあるためです。検査依頼の内容が不明確な場合に確認を入れることも、患者さんを守る連携の一つです。さらに、検査前後の注意点(食事制限や安静など)を揃えると、患者さんへの混乱を防げます。 連携をうまくするコツは「事実を整理して伝える」ことです。いつ、どんな状況で、何が起きたのか(例:検査中にどのようなことを患者さんが訴えてどうなったのか等)を、可能であれば数値や時間も添えると伝わりやすくなります。状況→背景→評価→提案(いわゆるSBAR(エスバー))を意識すると、忙しい現場でも要点が伝わりやすくなります。

まとめ
臨床検査技師は、検査データで医療を支える専門職ですが、患者さんと関わる場面も確かにあります。採血や生理学的検査では、短い時間の声かけや分かりやすい説明が、患者さんの安心と検査の安全につながります。大切なのは会話の上手さよりも、相手の不安を想像し、安心感を与えるような言葉を選ぶ力になります。
また、プライバシーへの配慮や接遇、体調変化への気づきなど、「患者さんの信頼を守る行動」も欠かせません。さらに、検査はチーム医療の一部です。医師や看護師と連携し、事実を整理して共有することで、診断や治療をスムーズに支えることができます。対面の場面が多い領域もあれば、検体検査のように裏方中心の領域もあり、自分の志向に合わせて働き方を選びやすいのも特徴です。
「自分にできるかな」と感じる人もいるかもしれません。でも安心してください。これらのことは最初から完璧にできる必要はなく、授業・演習・実習の中で少しずつ身につけていけます。大切なのは、患者さんの立場で考える習慣と、基本を丁寧に積み上げる姿勢です。気になる検査分野(採血が好き、エコーに興味がある等)を見つけていくことも、学びのモチベーションになります。
東京医学技術専門学校では、基礎知識だけでなく、実習を通して現場の動きや患者さんへの接し方を段階的に学べます。まずは臨床検査技師としての患者さんとの関わりを具体的にイメージし、自分が伸ばしたい力を見つけることが第一歩です。気になる方は学校サイトを確認し、資料請求やオープンキャンパス等で雰囲気を体験してみましょう。迷ったら在校生や先生の話を聞くのもおすすめです。是非オープンキャンパスで具体的なイメージをしていただければと思います!
▼東京医学技術専門学校のオープンキャンパスはこちらから▼
https://www.tokyo-igaku.com/opencampus/
今回は「臨床検査技師は患者さんと関わる?現場で求められるコミュニケーションと心構えをわかりやすく解説!」について紹介いたしました!
他にも多数コラムを用意しているので、是非チェックしてみてください。

